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熟女美紗 情交の遍歴
第1章 肉欲の暴走 大学生 俊輔
「弁解するつもりじゃないの」
車が走り出すと、そう断ってから美紗は、事故の日のことを話し出した。
あの日、美紗は急逝した夫の納骨の帰りだった。
夫の辰夫はリンパ癌。一度は完治したと思っていた癌が十年ほどして突然全身に転移し、気づいたときには手遅れだった。
美紗の両親は若くして他界していたので、夫の死で美紗に残された親族は夫の父一人。
その義父もすでに田舎の老人ホームに入居していた。
美紗が義父に相談すると、義父は遺骨を引き取ってくれた。
美紗はホッとした。
子どものいない夫婦にとって、「墓」はなかなか難しい問題なのだ。二人の墓を作ったとしても、美紗が死んだとき、身寄りのないその墓を果たして誰が供養してくれるのか・・。
「あの日、これからの自分の人生を考えてボーっとしてしまって」
あらためて美紗は俊輔に謝罪した。
美紗は話しながら、これからの自分の人生を考えていた。
土建業で資産を蓄えていた義父は、老後に必要な資金を除き、残りを美紗に譲ってくれた。
夫の遺産と義父の譲ってくれた蓄えは、美紗が暮らしていくには十分過ぎるものであった。
「息子のことは忘れて、もう一度新しい人生を」義父の言葉を思い出していた。
横で美紗の話を黙って聞いていた俊輔がつぶやいた。
「オバサンは僕より孤独なんですね」
俊輔はそう言ってから「オバサン」でいいのかな、と心配になって横目に美紗の顔をうかがった。
美紗が別段気にしているようにも見えなかったのでホッとした。
「あら、俊輔さんも身寄りがないの」
「両親は子どもの頃、冬のアルプスで遭難しました」
「じゃあ、誰に育てて頂いたの」
「祖父です」
「おじいちゃん」
「はい、祖母は僕が小学生のとき亡くなりましたから面倒見てくれたのは祖父だけです」
「そうか。似たもの同士ネ」
美紗はそう言って、俊輔の顔を見た。
「オバサン、前向いて運転してください」
俊輔がふくれっ面をした。
車が走り出すと、そう断ってから美紗は、事故の日のことを話し出した。
あの日、美紗は急逝した夫の納骨の帰りだった。
夫の辰夫はリンパ癌。一度は完治したと思っていた癌が十年ほどして突然全身に転移し、気づいたときには手遅れだった。
美紗の両親は若くして他界していたので、夫の死で美紗に残された親族は夫の父一人。
その義父もすでに田舎の老人ホームに入居していた。
美紗が義父に相談すると、義父は遺骨を引き取ってくれた。
美紗はホッとした。
子どものいない夫婦にとって、「墓」はなかなか難しい問題なのだ。二人の墓を作ったとしても、美紗が死んだとき、身寄りのないその墓を果たして誰が供養してくれるのか・・。
「あの日、これからの自分の人生を考えてボーっとしてしまって」
あらためて美紗は俊輔に謝罪した。
美紗は話しながら、これからの自分の人生を考えていた。
土建業で資産を蓄えていた義父は、老後に必要な資金を除き、残りを美紗に譲ってくれた。
夫の遺産と義父の譲ってくれた蓄えは、美紗が暮らしていくには十分過ぎるものであった。
「息子のことは忘れて、もう一度新しい人生を」義父の言葉を思い出していた。
横で美紗の話を黙って聞いていた俊輔がつぶやいた。
「オバサンは僕より孤独なんですね」
俊輔はそう言ってから「オバサン」でいいのかな、と心配になって横目に美紗の顔をうかがった。
美紗が別段気にしているようにも見えなかったのでホッとした。
「あら、俊輔さんも身寄りがないの」
「両親は子どもの頃、冬のアルプスで遭難しました」
「じゃあ、誰に育てて頂いたの」
「祖父です」
「おじいちゃん」
「はい、祖母は僕が小学生のとき亡くなりましたから面倒見てくれたのは祖父だけです」
「そうか。似たもの同士ネ」
美紗はそう言って、俊輔の顔を見た。
「オバサン、前向いて運転してください」
俊輔がふくれっ面をした。