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フリマアプリの恋人
第1章 prologue
そろそろ夕食の時間だとナースが知らせにきたのを潮に、柊司と由貴子は病室を辞した。
「じゃあ、柊ちゃん。ガラケーに連絡してね」
連絡用の古い携帯電話を振って目配せする。
柊司はおどけて敬礼をしてみせた。
病室を出ると直ぐに、由貴子が心配そうに尋ねてきた。
「柊司さん。瑠璃ちゃん、貴方に何かお願いしたの?」
由貴子の心配を払拭するように明るく笑ってみせる。
「いいえ、大したことではありませんよ。
母様が心配されるようなことではないです。
安心してください」
由貴子はほっとしたように表情を緩め、頷いた。
「…良かった…」
…そして、やや憂いを含んだ眼差しで柊司を見上げた。
「柊司さんには色々とご迷惑をかけてしまって…。
…私も瑠璃子も貴方に頼ってばかりよね…」
…ごめんなさい…と詫びる由貴子を思わず抱き寄せたい衝動に駆られながら、朗らかに首を振る。
「そんなことないですよ。
瑠璃子は僕の大切な妹なんだから、気にかけるのは当たり前です。
僕たちは、家族なんですから…」
家族と言う言葉を殊更強調する。
自分に言い聞かせる為に…。
そして、気待ちを切り替えさせるように由貴子に笑いかけた。
「家まで送ります。母様」
「じゃあ、柊ちゃん。ガラケーに連絡してね」
連絡用の古い携帯電話を振って目配せする。
柊司はおどけて敬礼をしてみせた。
病室を出ると直ぐに、由貴子が心配そうに尋ねてきた。
「柊司さん。瑠璃ちゃん、貴方に何かお願いしたの?」
由貴子の心配を払拭するように明るく笑ってみせる。
「いいえ、大したことではありませんよ。
母様が心配されるようなことではないです。
安心してください」
由貴子はほっとしたように表情を緩め、頷いた。
「…良かった…」
…そして、やや憂いを含んだ眼差しで柊司を見上げた。
「柊司さんには色々とご迷惑をかけてしまって…。
…私も瑠璃子も貴方に頼ってばかりよね…」
…ごめんなさい…と詫びる由貴子を思わず抱き寄せたい衝動に駆られながら、朗らかに首を振る。
「そんなことないですよ。
瑠璃子は僕の大切な妹なんだから、気にかけるのは当たり前です。
僕たちは、家族なんですから…」
家族と言う言葉を殊更強調する。
自分に言い聞かせる為に…。
そして、気待ちを切り替えさせるように由貴子に笑いかけた。
「家まで送ります。母様」