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フリマアプリの恋人
第7章 秋桜の秘密
…そんな眼で…見ないで…。
「…え?」
柊司が訝しげな眼差しで澄佳を見た。
「…そんな眼で見ないで…。
柊司さんは…お義母様のことが…好きなの…?」
泣きじゃくりながら柊司にしがみついた澄佳を、柊司は驚いたように受け止め…しかし直ぐに優しく尋ねた。
「…澄佳さん、何か心配しているの?」
「…恥ずかしくて…言えない…」
…血が繋がっていないとは言え、親子の二人の関係を勘繰っているなどと…柊司に軽蔑されそうで言えなかった。
首を振って柊司の逞しい胸に貌を埋めてしまった澄佳の背中を柊司は穏やかに撫でる。
「…僕を見て、澄佳さん」
「…いや…。
…だって…私、今すごく醜い貌をしているから…」
…嫉妬で歪んだ醜い…浅ましい貌をしているのに決まっているのだ…。
「澄佳はいつも綺麗だよ。
…僕を見て…」
その言葉に勇気を得て、おずおずと貌を上げる。
柊司の凜として澄んだ美しい眼差しが澄佳を包み込むように見つめていた。
「…義母と僕とのことを気にしているの?」
ぎこちなく頷く。
「…お義母様…びっくりするくらいにお若くてお綺麗な方だった…。
お義母様は柊司さんのこと、とても大切に…特別に思われているみたいで…合鍵もお持ちだったし…」
…あんなに綺麗なひとだ。
綺麗で嫋やかで上品で…。
だから、柊司も由貴子に惹かれているのではないか…と、つい邪推してしまうのだ。
…醜い嫉妬だ…。
柊司に嫌われたらどうしよう…と澄佳は少女のように不安になる。
柊司は一言一言を噛みしめるように誠実に話し始めた。
「…僕にとって義母は大切なひとだよ。
義母は母親を知らない僕に温かく優しく接してくれて、大切に育ててくれた。
…母親として、僕を愛してくれた。
まだ若かった母には大変な苦労だったと思う。
歳の離れた妹は僕の宝物だ。
父が亡くなったあと、家族で力を合わせて生きてきた。
だから、義母も妹も僕の大切な家族だ。
…けれど…僕が一番愛しているひとは澄佳だ。
魂が震えるほどに愛おしく思えるひとは、君だけだ。
君しかいない」
「…え?」
柊司が訝しげな眼差しで澄佳を見た。
「…そんな眼で見ないで…。
柊司さんは…お義母様のことが…好きなの…?」
泣きじゃくりながら柊司にしがみついた澄佳を、柊司は驚いたように受け止め…しかし直ぐに優しく尋ねた。
「…澄佳さん、何か心配しているの?」
「…恥ずかしくて…言えない…」
…血が繋がっていないとは言え、親子の二人の関係を勘繰っているなどと…柊司に軽蔑されそうで言えなかった。
首を振って柊司の逞しい胸に貌を埋めてしまった澄佳の背中を柊司は穏やかに撫でる。
「…僕を見て、澄佳さん」
「…いや…。
…だって…私、今すごく醜い貌をしているから…」
…嫉妬で歪んだ醜い…浅ましい貌をしているのに決まっているのだ…。
「澄佳はいつも綺麗だよ。
…僕を見て…」
その言葉に勇気を得て、おずおずと貌を上げる。
柊司の凜として澄んだ美しい眼差しが澄佳を包み込むように見つめていた。
「…義母と僕とのことを気にしているの?」
ぎこちなく頷く。
「…お義母様…びっくりするくらいにお若くてお綺麗な方だった…。
お義母様は柊司さんのこと、とても大切に…特別に思われているみたいで…合鍵もお持ちだったし…」
…あんなに綺麗なひとだ。
綺麗で嫋やかで上品で…。
だから、柊司も由貴子に惹かれているのではないか…と、つい邪推してしまうのだ。
…醜い嫉妬だ…。
柊司に嫌われたらどうしよう…と澄佳は少女のように不安になる。
柊司は一言一言を噛みしめるように誠実に話し始めた。
「…僕にとって義母は大切なひとだよ。
義母は母親を知らない僕に温かく優しく接してくれて、大切に育ててくれた。
…母親として、僕を愛してくれた。
まだ若かった母には大変な苦労だったと思う。
歳の離れた妹は僕の宝物だ。
父が亡くなったあと、家族で力を合わせて生きてきた。
だから、義母も妹も僕の大切な家族だ。
…けれど…僕が一番愛しているひとは澄佳だ。
魂が震えるほどに愛おしく思えるひとは、君だけだ。
君しかいない」