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フリマアプリの恋人
第7章 秋桜の秘密
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澄佳の店…紫陽花食堂の駐車場に店の軽トラックを停め、外に出た涼太は思わず眼を疑うほどに驚いた。
澄佳のかつての恋人、片岡が店の軒先で煙草を燻らせていたからだ。
怒りに貌を般若のように顰め、大股で男に近づく。
「おい、片岡!てめぇ!何しにきやがった!」
片岡はゆっくりと涼太を見遣り、少しも驚く様子も見せずに片眉を上げて見せた。
「…やあ、澄佳の用心棒。
…涼太くん…だっけ?」
「何が用心棒だ。ふざけんな!
まさか、澄佳に会いにきたのか⁈
どのツラ下げて来やがったんだ!」
恐ろしい形相で噛み付く涼太に、片岡は手を挙げる。
「会いに来たがきっぱり振られたよ。
澄佳はインテリの恋人に会いに行った。
なあ、東京の道路…特に246…大丈夫かねえ。
まあ、恋する者にはそんなもの苦でもないか」
愉しげに笑う片岡に、眼を丸くする。
「…あんた…やっぱりまだ澄佳を…」
片岡は吸いさしの煙草を床に落とし、靴先で揉み消す。
そして意外なほど丁寧な動作でそれを拾い上げ、傍らの吸い殻入れに放り込んだ。
「…澄佳は不思議な女だ。
離れれば離れるほどに、彼女の良さが身に染みる…。
ふとした弾みで思い出し、恋しくなる…」
神妙な貌をした涼太に
「…けれどそれも今日限りにするよ。
ストーカーは醜悪だ。
おれの美学に反するからな」
にやりと笑った。
去りかけた片岡の背中にこれ以上ないほどの無愛想な言葉を投げかける。
「…一杯だけなら奢ってもいい。
あんたどうせハイヤーだろ?」
親指で店内を指す。
片岡がゆっくりと振り返り…やや眩しげに眼を細めて、肩を竦めた。
「…失恋した者同士飲むのも悪くないな」
「一緒にすんな。ゲス野郎」
涼太の憮然とした言葉に、片岡は弾けるように笑い出したのだった。
澄佳のかつての恋人、片岡が店の軒先で煙草を燻らせていたからだ。
怒りに貌を般若のように顰め、大股で男に近づく。
「おい、片岡!てめぇ!何しにきやがった!」
片岡はゆっくりと涼太を見遣り、少しも驚く様子も見せずに片眉を上げて見せた。
「…やあ、澄佳の用心棒。
…涼太くん…だっけ?」
「何が用心棒だ。ふざけんな!
まさか、澄佳に会いにきたのか⁈
どのツラ下げて来やがったんだ!」
恐ろしい形相で噛み付く涼太に、片岡は手を挙げる。
「会いに来たがきっぱり振られたよ。
澄佳はインテリの恋人に会いに行った。
なあ、東京の道路…特に246…大丈夫かねえ。
まあ、恋する者にはそんなもの苦でもないか」
愉しげに笑う片岡に、眼を丸くする。
「…あんた…やっぱりまだ澄佳を…」
片岡は吸いさしの煙草を床に落とし、靴先で揉み消す。
そして意外なほど丁寧な動作でそれを拾い上げ、傍らの吸い殻入れに放り込んだ。
「…澄佳は不思議な女だ。
離れれば離れるほどに、彼女の良さが身に染みる…。
ふとした弾みで思い出し、恋しくなる…」
神妙な貌をした涼太に
「…けれどそれも今日限りにするよ。
ストーカーは醜悪だ。
おれの美学に反するからな」
にやりと笑った。
去りかけた片岡の背中にこれ以上ないほどの無愛想な言葉を投げかける。
「…一杯だけなら奢ってもいい。
あんたどうせハイヤーだろ?」
親指で店内を指す。
片岡がゆっくりと振り返り…やや眩しげに眼を細めて、肩を竦めた。
「…失恋した者同士飲むのも悪くないな」
「一緒にすんな。ゲス野郎」
涼太の憮然とした言葉に、片岡は弾けるように笑い出したのだった。
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