この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
フリマアプリの恋人
第8章 epilogue
澄佳と柊司が入籍をして、三カ月が経った。
籍を入れただけで、式は挙げなかった。
澄佳がそれを望んだのだ。
けれど涼太の両親を始め、親しい人々への挨拶回りをして、澄佳の店でお披露目の食事会を開いた。
瑠璃子の退院とこの町の学校への転校も重なったので、そのお祝いと歓迎会も兼ねたのだ。
瑠璃子に付き添い来ていた由貴子が前日に、澄佳に見事な古典柄の黒振り袖を差し出した。
「…私が清瀧のおうちに嫁いだ時に着たものです。
もし、よろしければお召しになってください」
「…由貴子さん…!」
感激して言葉にならない澄佳に、由貴子は少しいたずらめいた表情で微笑んだ。
「黒振り袖は、もう貴方以外の色には染まりません…という意味が込められているそうよ。
…もっともそんなもの、澄佳さんには必要ないでしょうけれどね…」
…そうして、優しく囁いた。
「…ご結婚、おめでとうございます。
幾久しく、お幸せにね」
籍を入れただけで、式は挙げなかった。
澄佳がそれを望んだのだ。
けれど涼太の両親を始め、親しい人々への挨拶回りをして、澄佳の店でお披露目の食事会を開いた。
瑠璃子の退院とこの町の学校への転校も重なったので、そのお祝いと歓迎会も兼ねたのだ。
瑠璃子に付き添い来ていた由貴子が前日に、澄佳に見事な古典柄の黒振り袖を差し出した。
「…私が清瀧のおうちに嫁いだ時に着たものです。
もし、よろしければお召しになってください」
「…由貴子さん…!」
感激して言葉にならない澄佳に、由貴子は少しいたずらめいた表情で微笑んだ。
「黒振り袖は、もう貴方以外の色には染まりません…という意味が込められているそうよ。
…もっともそんなもの、澄佳さんには必要ないでしょうけれどね…」
…そうして、優しく囁いた。
「…ご結婚、おめでとうございます。
幾久しく、お幸せにね」