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御主人様のお申し付け通りに
第12章 一緒にすんな
いいよ、殴りたければ殴ってくれて構わない。

「俺はおまえと二人で、そういうの本当はしなきゃならないって思いながら、一人で片付けてた。確かに俺は強引に今日を指定した。だけどさぁ、何かを二人で始める時は、やっぱり二人でやらなきゃダメだろ…。なのに何なんだよ、おまえは。信用なくしてばっかじゃねぇか。俺の中のおまえへの信用度を、ちったぁ考えろよボケ!」

「ごめんなさい」

どうしよう、怒ってるよりも悲しんでる?

「何度も謝りやがって。謝りゃ済むと思いやがって。おまえに謝ってもらってもなぁ…俺は…俺はそれでも、おまえを愛してるから…やっぱり許せない!」

振り返り、凄い顔して、私に向かってやって来た。

殴られる!?

私は涙を流しながら、思いっきり目をつむった。

「バカヤロー!…」

ふわっと、大きく、両手で深く抱き締められた。

「…永田ぁ~…!…ふへぇ~ん!!…」

柔らかく、優しく、温かく。

静かに、深く、強く。

「だけど…許す」

ググッと、息も出来ないくらいに、強く抱き締められて、永田は言った。

「もう絶対嘘はつくな。悲しくなるから…なぁっ?」

チュッ…

もう涙、止まんない。

永田は、私のおでこにキスをして覗き込む。

うわっ…。

やっと、私に笑ってくれた。

静かで優しい笑顔。
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