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御主人様のお申し付け通りに
第14章 永田の秘密
永田という新しい彼氏は、私が今まで付き合った事のないタイプの男。

人間だからみんな、不完全。

だから、自分にない素敵な部分を見つけて、相手を好きになる。

永田はとかく、知れば知る程に完璧な男だと思い知らされる。

アパート跡地の平地も、業者が来て作業をする。

その業者に対しての、対応もカッコいいんだからぁ。

私は休みの日に、ジャンケンで負けて、朝一、ゴミを捨てに行く。

すると、近所のおばちゃんに声を掛けられた。

「おはよ。あんた永田さんとこの娘やろ?」

「はぁ、そうですが何か?」

何か文句でもあんの?

下から上から何度もジロジロと見るから、嫌らしいなぁ。

「今度はバカに幼い娘と一緒になったもんだねぇ」

バ、バカ?

私をバカって言ったな、このクソババア!

「そらどうも」

私は背筋を伸ばしてわざとらしく見下す。

負けないし!

「挨拶もできんようなのが、新しい嫁さんか」

嫁じゃねーし!

何だかムカつくから、言ったろ。

「挨拶は人によって、する時としない時があるんですよぉ」

「ほほう」

何か言い返してみろや。

クソババアはニヤニヤしながら言った。

「前の嫁さんと思うと品格が違うわ。所詮後妻だね、あんた。アハハッ!」

…………えっ?

私が後妻ってどういう意味?

前の嫁さんって?

クソババアは笑いながら、何度も振り返りながら帰って行った。

永田の、この家ってもしかして。

私はモデルハウスみたいな、真新しい永田の家を見つめた。
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