この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
御主人様のお申し付け通りに
第14章 永田の秘密
「…交際している時は、あんなに積極的に俺に言ってきてたのに、ひどいもんだ…本命は最初っから、他に居たんだからな…」

「女なんて、だいたいみんなそんなもんでしょ。…秘密をいくつも抱えてる」

私はそう答えながらも、永田を強く抱き締めた。

「俺は、そんな事も知らずに本気になって、結婚する前に家まで建てちまった…で、いざ結婚して一週間だけの新婚生活で、…何もかもが終わっちまった…」

永田を傷付けるような、裏切るような女のどこに品格があるんだと思った。

永田みたいな、こんな善い人を、そんな扱いして裏切るだなんて。

聞いてると、どんどん腹が立ってくる。

「…離婚するつもりで、俺と結婚したみたいに思えた…俺は訳も分からず、届けを記入して、役所に提出した…」

私も別れた旦那からしたら同じだ。

相手は居る居ないにしろ、悲しませた事実は変わらない。

束縛されない、自分だけの一度きりの自由な一生を送りたいと思って…。

ふと、離婚した旦那の最後に言った言葉を、思い出す。

幸せにしてやれなくて、ごめん。

いいの、私は。

誰かに幸せにしてもらおうだなんて、図々しい事は思わないから。

幸せは自分自身で手にしたいし。

幸せと感じるのは、自分自身が決める事だから。

「…ただ俺は…結婚して幸せにしてやりたかっただけなんだけどな…」

……!

私はもう、永田のその言葉に自分の心が堪えられなくなって、

「バカバカ!…もういいよ、バカバカ!…」

「トシコももう限界?俺ももうこの話するの限界…」

「私には私の決めた幸せがあるの。たぶんその女も、自分の決めた幸せは最初から決まってたと思うの…」

「だろうな」

そう言いながらも、寂しそうに甘えるように私の胸元の服をギュッと永田は掴んだ。

私はその手に触れて思った。

こんな温かい手。

こんな優しさも激しさも、冷たさも全部兼ね揃えて、私を求めてくれる人を。

私には、そんな裏切るような事出来ない。

いや、そこに包まれてる今の温もりを感じたら…

「…私の幸せはここにある」

今、ようやく気が付いた。
/165ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ