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御主人様のお申し付け通りに
第3章 甘えるな
えっ?

私は元旦那に対して、目が点になった。

「おまえがそんな聞き分けのいい女だったとは驚きだ。逆らって、世の中に反発ばかりするのが、トシコの取り柄だと思ってたから」

えっ…?

そりゃ、そうだけどさ。

今の言葉、何気にちょっとひどくない?

「ご、ごめん本当に。ごめんなさい」

どっかグサリと刺された感覚がして、アタフタしながら、何故か私が何度も謝っていた。

もう早く帰りたい。

私は慌てて、車を降りた。

「今夜はありがとう、ご馳走さまでした」

頭を下げて、足早にその場から立ち去った。

やっぱり結婚して離婚したら、他人なんだ。

恋人同士で別れて、ヨリを戻すのとは崩れた度合いが違う。

高々紙切れ一枚で結婚して。

離婚する時は、紙切れ一枚でも女は何度も銀行や役所に行く。

すっごい面倒臭かった。

結婚ってのが、まずもって面倒臭いんだって分かった。

そんな面倒臭い幸せは、もう要らん!

私は家に帰り、着替えて、すぐにお風呂に入りに行く。

早くキスした、口唇を洗い流したい。

いや、今日の私を洗い流したい。

甘えついでで、気軽に舌を入れてキスしてしまった、自分を早く洗い流したい。

脱衣場でパンツとブラを外して、風呂場の戸を開ける。
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