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御主人様のお申し付け通りに
第1章 全否定で躾てやる
ぶはぁっ!…イッた!!

ピクピクなんてしてらんない!

イッたら、とっとと私は慌ててパンツも上げずに、コイツを無理矢理にどかして、トイレへと入った。

本気で漏れるーっ!!

戸すら開けたまま、綺麗な洋式トイレの便座をパタンと勢いよく開けて、さっさと済ます。

シャーッ…スッキリしたぁ。

私はパンツもジーンズもしっかり履いて、トイレから出ると。

…まだ居たか変態鬼畜野郎!

壁にもたれながら、相変わらず殺気だった目をして私を睨み付ける。

そして、

「イマイチ、色気にかける」

「知るか」

「そんな口の聞き方したら、もうトイレは貸さないぞ?」

うぬっ…。

「…すいません」

このボケが。

「いいか、おまえは俺の所有している犬小屋アパートに格安で住む、訳有りの女。爺さんの好意でおまえのワガママな条件を呑んで住まわせてもらってる身なんだ。要するに拾われたペットを、またペットとして引き取ってやったようなもんだ」

コイツはどんだけの毒舌術。

普通の話し方が、できんのかい。

イチイチ、嫌な言葉を入れ混ぜる。

魔物だ、魔物。

人間の顔した悪魔だ。

「躾がなっとらん。おまえの以前の旦那は相当、甘やかしていたんだな。おまえのその生きざま、俺が全否定で躾てやる」

「…いらん世話じゃ」

「おい、今なんつった?」

私は立ちはだかる長身の痩せマッチョの腕をくぐり抜けて、自分のアパートへと戻った。
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