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御主人様のお申し付け通りに
第5章 勝手にしろ
でも、何だかどんどん快感に登りつめていくと、不思議な事に永田の姿が浮かぶ。

「あっ…あぁっ…あん…あぁぁん…んっ…んぅぅん…」

永田のあの、至近距離での無表情の顔が浮かぶ。

「あはぁん…あっ!…あん!…やだぁ…」

声が思わず大きくなる。

すると、元旦那も釣られて腰を激しく動かし、興奮して声が出る。

「あぁっ!…どうしたの?…キモチイイから興奮してるのか!…あっ!…俺も…もうキモチイイ!…」

目を閉じると、永田の顔が浮かんだまま。

何で?何でアイツの顔を思い出すと、私はこんなに興奮して絶頂に達してしまうの?

「あぁ!ダメダメ!…もう私…イッ…イク」

「トシコ!…俺も!…俺もイクイク…イクッ!…」

永田!

ダメ!

もう、永田しか浮かばない!

永田の顔が好きだよ!

私、永田で……。

「あぁぁん!…私!…イッちゃうよ!…イクゥ!!」

元旦那のアレで、永田の顔を思い出して、私はイッてしまった。

元旦那のアレがよかったのか。

永田の顔がよかったのか。

どっちがよかったのか。

永田の言葉がまた、頭をよぎる。

「人の事をなめた扱いしてると、一気に痛い所へ落ちるぞ」

なめてなんていない。

ただ、甘えてばかりだった私の前から、甘えられる唯一の元旦那が、遠くに離れて行ってしまうこの現実は、確かに永田の言う通り。

なめた扱いしていたら、一気に痛い所へと落とされた感じがした。

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