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御主人様のお申し付け通りに
第7章 俺と住め
「うわわわっ!」

そのまま、引きずり込まれた。

私の上に乗り、体重をかけられて、這いつくばる。

頬をスリスリされて、一体何なんだコイツ!

「いやっ!…臭いから…やめて!」

「キスしていいかぁ~…」

「ゲロ吐いた後で、よくそんなキスなんて言えるよね!信じられない!」

「逆らうんじゃねぇよバーカ…うぅ~っ…」

永田は口唇を尖らせて、キスしようとするから、必死で避ける。

フゲッ!…だから、臭いってば!

私までゲロの臭いで、キモチ悪くなる。

「トシコ…今夜は俺と寝ろっ…いいかぁ…隣りで寝ないと…」

「ブッ飛ばすんでしょ。はいはい」

永田、あんた自分が結局1人で寂しいから、私と一緒に住みたいと思ってるんでしょ?

「ブッ飛ばす…トシコをブッ飛ばす…絶対に…ブッ飛ばす…」

どうしよっかな。

永田と住むの迷っちゃうよ。

あんたのその、可愛い寝顔見たら…。

迷っちゃうよ。

私の腕を掴んだまま、私の胸に顔を埋めて、赤ちゃんみたいに口唇を尖らせて、スヤスヤと眠るその可愛い寝顔を見たら…。

私は目を閉じて、永田をギュッと抱き締めた。

臭いし、汚い男だけど。

鬼畜で最悪だけど。

永田。

約束やぶって、ごめんなさい。

でもね、永田のキスの時の顔。

ずっと頭の中に残ってるよ。

だから、意味ない事はないんだよ。

「ごめんね」

しばらくそのまま、眠くなるまで瞳を閉じていた。
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