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御主人様のお申し付け通りに
第8章 これが俺の洗礼だ
永田はグッタリと私の隣りに、うつ伏せて横たわる。

そしてチラ見。

「さっき、何か言ったろ?」

「えっ?何かって?」

とぼけると、

「まぁ、いいや」

そして頬杖を付いて更に、ガン見。

だから一応報告。

「実はね、永田が心配してる元旦那の話なんだけど」

「心配なんてしてねーよ!」

ツッコミは無視して。

「元旦那、転勤するからどのみちもう会えないの」

「会えない?」

睨み付けられたから、

「違う違う。もう会わないの」

私は苦笑いをした。

「へぇ~、これで完全に捨てられたか…ザマねぇな、おまえ」

永田は、私の鼻先を摘まんで嘲笑った。

「嫌な言い方。本当は嬉しい癖に」

「はぁ?嬉しい?…なんだそれ」

私も横になって、永田の顔を見つめた。

「ねぇ、永田…」

「もう、お願いは一切聞き入れん」

「お願いじゃないよ。洗礼ありがとうって言いたかったの」

「…バカじゃねぇの」

永田は布団に顔を埋めて、表情を隠した。

私は永田の肩にキスして、

「絶対誓うね」

「…何を」

「何をって。永田の思いに添う事を」

「俺の?」

「だって、永田だけだもん。いつも真剣に怒って、あぁしろ!こうしろ!言う事聞け!って言ってくれるの」

「ムカツク」

「しかも俺と住め!だなんて。みんな言うだけ言って冷たいし」

「……」

「永田が、そんなに私の事を意識するから、私も意識しちゃう。で、今の洗礼でやっと気持ち的な言葉が見つかったの」

「誰が意識だ。何言ってんだ、さっきから


無視無視。
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