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御主人様のお申し付け通りに
第9章 意外とねぇ
仕事から疲れて帰って来て、夕飯前に永田の欲求の相手して…ヘトヘトだよ。

身体ガクガクするわ。

「疲れたぁ~、永田のせいで倍疲れたぁ~!」

すねていると、

「じゃあ貸せ…」

私から、もやしの袋を取り上げた。

もやし炒めは、結局永田が作ってくれた。

コイツが台所に立って作業する。

何か…こういうのって。

キモチ悪いから何かイヤ!

永田、カッコいいから余計にイヤ!

いい男が家庭的だなんて、私の理想に反していて、この光景イヤ!

「塩と胡椒と…」

素直に嬉しいと感じられない私は微妙な態度を取っていた。

自分が作った味噌汁の味ばかりみていた。

「永田って、意外と家庭的ってやつ?」

私はそんな姿が、あまりにも不自然で。

「自分で俺は何でもやるだけだ」

「そっか」

永田は火を止めて、

「トシコは?」

「私は違うね。家庭的だなんて思ってもらっちゃ困る。そんなふうに思われたら汚点だね、汚点。でも食べていかなきゃ生きられないから、仕方なく自炊してんの。だからこうしてる自分を本当は恥だと思わなきゃ」

「じゃあ、何もかも人にやってもらうのが理想?」

「やってくれる人がいるならね!だけど、そうじゃなくて、自分の事は自分だけでやりたいの!だから相手さんも自分の事は自分でやったらいいの!」

うっとうしい。
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