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白い指先と甘い吐息
第6章 鮮やかな夏
「うん、本当に。
亜季はあっという間に消えてしまったから
俺も悟も、どうしていいかわからなかったんだ」

なつみは黙ってうなずき、貴史の横顔をさわった。


「俺と悟 二人でいても どうしても 寂しい夜は星を見に行ったんだ。

“ママはどの星になったんだろう”って悟に聞かれると
俺、胸が潰れそうになったよ。
何も言えなくて、結局 抱きしめてやることしかできなかっけどね」


なつみはこみ上げる想いに
ぎゅっと貴史を胸に抱いた。
貴史が悟をそうしたように
それしか できなかった。


なつみは涙が止まらなかった。

溢れだす涙に、貴史はそっと口づけをした。
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