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白い指先と甘い吐息
第8章 翳りゆくとき
食事のあと、貴史が別れ話を切り出した。

「美香、すまない。本当に申し訳ないと思ってるけど、俺好きな人ができたんだ」

「知ってます、見たから、二人でお店にいるところ。亜季さんに良く似た人ですよね」

「うん。ごめん」

「私は別れませんよ。店長は亜季さんの面影を追ってるだけですから」

「いや、違う。本当に彼女を・・・」

「早く目を覚ましてください。それに私がいなかったらお店も困るでしょ?」

そういって立ちあがると 美香は足早に店を出て行ってしまった。


(別れるのも店をやめるのも絶対に嫌。私は何としてでも貴史さんと一緒になるの)

そのまま美香は初枝の家に向かった。
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