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白い指先と甘い吐息
第10章 それぞれの想い
12月に入ると街は一気にクリスマス一色になる。

「私、冬って大好き。寒いから寄り添って歩いても誰も気にも留めないし、それにすぐ暗くなるし」

その年は12月に何度も雪が降るような、いつになく寒い冬だった。

「寒い」となつみがいうと

なつみの手を取り貴史は自分のポケットで温めた。

なつみはそれが大好きだった。
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