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歳下の悪魔
第8章  切なさと思い


「え……?」
 立ち上がりながらも、和真の方を振り向く。
「大丈夫。ちゃんと挿入してあげるから。勿論、コンドームは着けるし」
 和真は、ベッドがよく見える位置に座り直している。
 私は浩輝に抱き上げられ、広いベッドへ寝かされた。
 バスローブの紐が解かれて前を広げられ、全身を眺められる。
「いい体だね。小柄で細いのに、胸は大きくて」
 顔が火照っていた。それがアルコールのせいなのか、自分にはよく分からない。
 会ったばかりの男性に見つめられながら、乳房を揉まれる。
 跡が付かない程度に軽く、首筋を吸われた。
「んっ……」
 和真と拘束プレイはしていたが、久し振りの感触。
「柔らかいね」
 私はベッドで力を抜いたまま、和真の方を見た。彼もロックに変え、それを呑みながら眺めている。
 和真は結局、するより見るのが好きなのだろうか。
 拘束に飽き、これからは私を色々な男に抱かせるかもしれない。
 それを眺めて喜ぶ。
 彼の性奴隷の私は、それに従うしかない。嫌がれば、和真との関係が終わってしまう。
「はぁっ……」
 乳首を弄られ、甘い息が漏れる。
 全て、久し振りの快感。
 目を瞑った。
 体は、愛撫を快感として受け止める。でも、頭の中には色々なことが巡っていた。
 和真に初めて会ったのは、今年の4月中旬。
 初々しい新人社員で、イケメンの好青年。仕事に対しても真面目で、知らないことは一所懸命覚えようとしていた。
 そんな彼のことを、天使と言いだしたのは美月。
 それは、人数の少ない課に数年振りに現れた人員と意味もあった。でも働き振りからして神ではなく、まだ見習いだから天使と例えたのだろう。
 その天使が、実は悪魔の顔を持っていた。
 私はその裏の顔を知り尽くしていると思ったのに。
 和真の性癖が、拘束して“見ること”とまでしか、理解出来ていなかった。
 大地と麗菜のセックスを見ていた時も、楽しんでいたのだろう。
「あんっ」
 乳首が口内に含まれ、体がビクンと反応する。
 今晩はこの浩輝を相手にセックスしているところを、和真に見せればいい。それが、彼の望んでいることなら。
「んんっ、はぁっ」



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