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欲望の行末 ~愛しのアンドロイド~
第1章 プロローグ
西暦二〇七〇年。
見渡す限りの草原の中。
三人の子供たちが、草むらの中を転げるようにして走りまわっている。
青臭い草のかぐわしい香りが、少し離れたところで眺めていた青年のところまで香ってくる。
子供のうちの一人が青年の視線に気づき、嬉しそうにこちらに駆けてきた。
その子はにこりと笑うと、こてんと首を傾ける。
「じいじ。じいじはどおして、いつまでもキレイなままなの?」
じいじと呼ばれた容姿の整った青年は、一瞬瞳を揺らす。
しかし直ぐにその瞳を優しく細めると、形の良い唇の前に人差し指をかざし、悪戯っぽい顔をして口を開いた。
「それはね――」