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欲望の行末 ~愛しのアンドロイド~
第2章  

「絢パパって超、絢のこと大好きじゃん? 少しでも絢の役に立ちたいって思って、新作作ってるんだよ」

「そうかなあ。それにしてもパパったら超ナルシストなんだもん。自分の二十歳の頃そっくりのアンドロイドなんだよ?」

絢は祐二の父親そっくりの顔を思い出して、溜め息をつく。

「え~!? 絢パパの二十歳の頃? めっちゃ見たいんだけど」

「そう?」

「うん!」

イケメン好きの直美は満面の笑みで答える。

「私はあんまりにも似すぎてるから、たまに『パパ』って呼びそうになって、冷や汗もんだよ……」

「でもいいじゃん、私数回しかあったことないけど、めっちゃかっこいいじゃん、絢パパ」

「え~。身内だからわかんない……」

「そういうもん? ねえ、今日の帰り、寄って行っていい?」

「いいよ。でもひとつお願いがあるんだけど……」

絢が言いにくそうに言う。

「何?」

「あんまり三号の前で変な事言わないでくれる? 三号、何でも学習して知識増やしちゃってくから、変な知識もたれても困るんだよね……」

「変なって?」

不思議そうに首を傾げる直美の耳元で、絢は先日の「エッチ」事件の事に付いて伝える。

「あはは、超うける!! 分かった。そういう系は言わない様、気を付けるよ」

直美はいつまでもお腹を押さえて笑っていた。

「頼むわ。もう、パパの顔でそんなことを言われる私の身にもなってほしいわ……」




放課後。

授業が終わると、絢の家に行く気満々の直美に手を引かれ、絢は帰宅した。

玄関のノブを回そうとする数秒前に、内側から扉が開かれる。

「お帰りなさいませ、絢様」

祐二はいつもそう言って、絢が開ける前に扉を開ける。

本人いわく、自分は超音波まで聞こえるので、絢の足跡を聞き分けることくらい、朝飯前なのだそうだ。

「わっ! 確かに絢パパそっくり!!」

出迎えた祐二に、直美が叫ぶようにそう言う。

「ご友人ですか?」

同じセーラーの制服でそう判断したのか、祐二が瞳を優しげに細めて直美を見る。

「はい! 絢の幼馴染の――」

「末次直美様ですね。初めまして。当家の使用人の岬祐二です。よろしくお願いいたします。」

元気よく答える直美に、祐二が丁重にそう割って入る。
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