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幸せの頂点
第9章 感覚



鮮やかな運転…。

気怠い身体がシートに沈む。

イッたばかりなのに…。

貪欲な身体が彼を求めて疼き続ける。

部長のマンションの駐車場に着き車から降りる。


「開けてくれ。」


私の荷物を持つ部長が言う。

部長から貰ったカード鍵を使ってオートロックの鍵を開ける。

私と部長の横を小さな女の子が小走りですり抜ける。


「ママっ!早くっ!」


小さな女の子が叫び、その子の母親が私と部長に会釈して通り過ぎる。

幸せな日常の中に私は部長と存在する。

そこには違和感も何もない。

克への罪悪感すら感じない。

部長と並んで違和感のない女として部長の傍に居る自分が嬉しかった。

エレベーターに乗り込み行き先のボタンを押してから部長の腕に手を添える。

部長が私の身体をエレベーターの壁に押し付ける。

荒々しく唇を貪られた。

エレベーターの中で部屋まで我慢が出来ないと部長が私を食べにかかる。


「んっ…、ダメ…。」


脚と脚の間に部長の脚が割り込み、私の股間をグリグリと刺激する。


「そんなに俺に抱かれたいか?」


部長がキスを繰り返しながら囁く。

だから、そうやって意地悪にニヤニヤと笑う部長が嫌いなの…。

我慢が出来ないのは部長でなく私の方だから…。

早くエレベーターが目的地に着く事ばかりを願い、エレベーターの階数表示の数字を睨み付ける。


「神威…。」

「たっぷり可愛がってやるから…。」


絡む舌がもぎ取られそうなほどの力強いキスをしてくれる。

部長が私は部長の女だと身体中に刻み込む。

エレベーターが頂点に向かう。

それは幸せの頂点…。

その悦びから2度と私が逃げ出せなくなる頂点に導かれていた。


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