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幸せの頂点
第14章 出張



寝不足気味の虎はとにかく不機嫌だと学習する。


「学生じゃねえだろ?」


唸るように部長が言う。


「学生でしょ?」

「違うと思う。手前の女は若いが奥の女は紫乃と変わらない年齢だ。」

「よく見えますね。」

「通路を挟んだ隣の奴らも同じグループらしいな。」


部長が言うように通路側の人がはしゃぐ4人組に静かにした方が良いと注意をしてる声がする。

これで静かになると思いきや…。

30分後…。


「もう着く?」

「旅館から富士山は見える?」

「見えないんじゃない?熱海だもの。」


とまたもや騒ぎが始まった。


「ブチ殺す…。」


再び目覚めた虎が唸る。


「まあまあ、もう熱海駅ですから…。」


さすがに苦笑いするしかない。

新幹線が熱海駅に着く。

騒ぎの元になる4人組と通路を挟む2人組が座席から立ち上がる。

男女3人づつ…。

どうやらグループ交際だと思った瞬間、私の身体が硬直する。


「どうした?紫乃?」


よく響く部長の声に私が見たくない人が私の方へと振り返る。


「急げ、山本…。新幹線が発車するぞ。」


私と同じようにその人も私を見て硬直してる。

ゆっくりとその人の口が開く。


『紫乃…?』


声にならない声が聞こえる。


「克…?」


何故、克がこの新幹線に…?

しかも、騒いでた人達の1人が克とか有り得ないと私の頭が否定する。

克はグループの男の人に急かされて新幹線から降りていく。

らしくない…。

騒ぐ女の子達と旅行する克なんか私は知らない。

私の見間違いかもしれない。


「紫乃…?」


不安気な声。

部長の手が私の顔に触れる。

言葉を失ったように私は部長の不安に答える事が出来ない。


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