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幸せの頂点
第18章 就職



「それで…。いつまで無職の予定…?」


私の質問に対して部長は嫌そうに顔を歪める。

あれから4日目…。

明日は休暇だからと今夜の仕事帰りは真っ直ぐに部長の家に来た。

今夜は部長が私の為にと夕食の用意して待っててくれてるのは嬉しいと思う。

だけど…。


「親父に頭を下げるのだけはお断りだ。」


缶ビールのプルすら開けられない男が偉そうにソファーにふんぞり返って私に言う。


「カバオ君…。」

「カバオ言うな。」

「なら、馬鹿男君…。」

「失礼な…。」


部長のゴツい腕が文句を言う私を黙らせようと羽交い締めして来る。

お見合いをすっぽかした以上は、うちの百貨店に居られないと部長は辞めてしまった。

梨花さんが部長と一緒に佐丸に戻りたいと部長のお義父様に申し出たところ…。


『梨花ちゃんだけならいいよ。神威と一緒にってのは絶対にダメだ。』


と言われたらしい。


「そもそも、なんで始めから佐丸にバイヤーとして就職をしなかったの?」

「親父は元々、佐丸の凄腕バイヤーなんだよ。あの藤原と契約した伝説のバイヤーってやつ。」

「なら、先輩として尚更に見習うべきじゃん。」

「親父と比べられるとか絶対にやだね。」


そうやって親子の溝が埋まらない。

その部分を何とかして欲しいと高崎さんから頼まれる立場になった私はため息を吐く事になる。


「佐丸の創立祭は来週だよね…。」

「ああ…。」


気のない返事…。


「まさか、行かないつもり?」

「行くよ。」


どうも高崎さんから聞いてた話とは随分と違う感が否めない。

というよりも部長は佐丸の創立祭に出るつもりはなかったみたいにも見える。

それを梨花さんが無理矢理にでも参加しろと詰め寄った結果に部長が


『紫乃となら行く。』


とだけ答えたらしい。


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