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幸せの頂点
第20章 対立
「孕ませてからって…、どういう意味!?」
まずは部長に怒りをぶつける。
「本気で紫乃を手に入れるなら孕ませる以外の方法がねえじゃん?俺の前に男が居るし親父は簡単に納得してくれねえし…。」
とぼけた答えが返って来る。
「究極の方法だな。」
茶化すように会長が言う。
「会長は黙ってて下さい!てか、申し訳ありませんが佐丸には行きません。それに部長の跡取りもそんな簡単には産みません。何でもかんでも人が自分達の思い通りになるとか思わないで下さいっ!」
キレッキレで叫んでた。
なのに…。
「生理中か?」
とカバオ君は私の気持ちを理解せず
「沙来並に強いな。」
と会長がとぼける。
この馬鹿親子…。
呆れて言葉が出て来ない。
「はいはい…、そこまでよ。」
雌獅子の声がする。
「お姉さん…。」
何故か彼女が来た事で気持ちが安心した私の目に涙が溢れ出す。
「何やってんのよ?神威、お父さんには紫乃ちゃんは絶対に泣かさないって約束の上で会わせるって決めたでしょ?なのに2人して紫乃ちゃんをキレさせて泣かせてるってどういう事!?」
今度はお姉さんがキレ出した。
「うえぇぇぇ…。」
ブスでも構わないと開き直ってボロボロと泣く私をお姉さんがよしよしと宥めてくれる。
「ごめんね。うちの父親ってこんな人だから、とりあえず紫乃ちゃんに会わせて納得して貰おうって事になったのよ。佐丸に関しては高崎君に継がせるって言えば流石に折れると思ったのに…。」
私を認めて貰えた部長までもが調子に乗ったとお姉さんが叱ってくれる。
それから30分…。
お姉さんがガミガミと部長と会長を叱る光景を眺めながら考える。
佐伯家ではお姉さんに逆らってはいけない。
創立祭だというのに会長とその跡取りは会長の妹のご主人で梨花さんの父親である専務に創立祭を任せたままお姉さんに叱られるだけで幕を閉じた。