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幸せの頂点
第5章 主婦



早番とはいえ私の出勤時間は遅い。

百貨店の開店時間が10時だから、一般企業に比べればかなり遅い出勤になる。


「おはようございます。」


私よりも先に来てる高崎さんに挨拶する。

金子さんはまだ来てないけど、やはり私よりも先に来てる人がもう1人居る。


「おはよう、ほら山内、阿久津さんに挨拶しろよ。」


高崎さんがもう1人のバイヤーに挨拶を催促する。

その人は目を細めて私をじっと見る。


「山内っ!眼鏡っ!」


苛立ちを高崎さんが見せるとモタモタと山内さんが眼鏡を掛けて私を見る。


「おはようございます…。」


とりあえず頭を下げた。


「おはよう…、新しい人?」


のんびりとした口調の山内さん。

この人も部長の洗礼を乗り越えたの?

信じられないくらいにだらしなく、のんびりとした山内さんを唖然として見てしまう。


「山内の隣のデスクは三浦ね。」


まだ見ぬ1人を高崎さんが教えてくれる。


「色々とありがとう。」


やっと落ち着いた笑顔で高崎さんにお礼が言える。


「今日の仕事は?」

「売り場の確認とレイアウトです。」


私がそう答えると高崎さんが渋い顔をする。

何かあるのだと思う。

部長だけでも充分に驚いた私はこの先は冷静で居ようと努力する。


「一緒に行くよ。」


親切な高崎さんは余計な事は言わずに私についてバックヤードを抜けて来る。

店舗に繋がる通路。

店舗への扉を開く瞬間が好きだ。

雑多な世界から一気にキラキラと輝く世界に変わる瞬間は胸がトキメキ、気持ちが高まる。

ある意味、私は百貨店に恋してる。

平凡な日常に少しだけステイタスを与えてくれる場所である百貨店。

そのバイヤーである事に誇りが持てる仕事をする。


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