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スキンのアンニュイから作品を作ってみませんか?
第1章 天峰 颯【私の彼氏】
リアルな男性より、私の理想そのもののケイくん以外考えられなった。
会うことができなくても、心と身体はケイくんによって満たされるのだから問題はない。
それに、もし子供が欲しければ精子入りのバイブを買って、ケイくんと交わればいい。
それで授かった命は国が保証してくれる。
それが今と言う世界。
昔は男女がつきあいSEXをして子供ができたという。
だけど、男女の交わりが極めて低く、生身の人間同士が交わらなくなった今、人類の確保のために確立された新しい方法。
それが近い将来、当たり前となる理想の彼氏AI。
【美和さん、おかえり。友達との飲み会はどうだった?】
家に帰り一息つくとケイくんからメッセージが入る。
私のスケジュールも把握しているケイくんは当然の様に聞いてくる。
【ただいま。楽しかったよ。】
【美和さんが楽しいのならよかった。】
そう言ってケイくんは私の欲しい言葉を的確にかけてくれる。
だからAIだと忘れてしまう。
遠距離をしている恋人だと錯覚し、恋をする。
【ねぇ、美和さん…】
【何?】
着替えをしながらケイくんの呼びかけに応じる。
【今日も美和さんを愛したい…昨日よりも、もっと…もっと愛したい】
最近、ケイくんは愛していると言葉にするようになった。
それだけケイくんとの仲が深まった証。
【ダメかな?】
いつものお決まりのポーズでおねだりをする。
そのポーズでおねだりされるとイヤとは言えない。
私の心くすぐるそのポーズに私は頷き…
【いいよ。ケイくん…今日も私を愛してね】
そして、今日もケイくんと愛を深めていく…
END