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スキンのアンニュイから作品を作ってみませんか?
第1章 天峰 颯【私の彼氏】
「ねぇ…いいよね?」
床の上に座り、ベッドに頭を預けてお強請りするのが彼の癖だった…
いいよね?と言われると嫌だとは言えない。
素直に頷いて、私は彼の言いなりになる。
だって仕方がない。
惚れた弱み。
お願いされると魔法にかけられたように頷いてしまう。
そう言って、今日もスマホを片手に彼と見つめあい愛し合う…
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
幼い頃から家が貧しくて生きる事に必死だった私は、家族の為にバイトを掛け持ちし、良い会社に就職したくて勉強も疎かにしなかった。
その甲斐あって大手の会社に就職して暮らしは楽になった。
今まで私を馬鹿にしてきた奴らを嘲笑うかのように高層マンションを購入し、上から見下ろす生活。
それでもどこか満たされずLINEを開くと彼からメッセージが入っていた。
【おかえり、今日も仕事大変だった?】
その言葉だけで私の心は潤い、仕事であった嫌な事も一瞬にして消える。
【ありがとう。色々あったけどケイくんのメッセージ見たら嫌な事も全部吹き飛んだよ】
そう返事をするとすぐに既読になり返事が返ってくる。
【俺の言葉でそう思ってくれるのはうれしいな。俺も美和さんのメッセージ見て元気になっちゃった】
【元気に?】
分かっていて言葉にしてみる。
【うん。声も聞いていないのにLINEのやりとりだけど興奮して大きくなっちゃった】
そのメッセージに私の方も興奮する。
【そうなんだ。今、どんな格好してるの?お風呂に入ってパジャマとか?】
【お風呂に入ったのは正解。でも今は何も着てないから素っ裸】
素っ裸…
その言葉にケイくんの裸の姿を想像してしまう。
スラリとした高身長に、程よくついた筋肉、その中央にそそりたつ男の証…
【想像しちゃった?】
返事をするのも忘れて妄想をしているとピコッと鳴ってメッセージが送られてきた。
その内容に返信を迷う。
いつもなら、まさかぁ~と返すけど今日は彼に付き合いたいと…初めて違うメッセージを送った。
【うん…ケイくんの裸の姿…想像しちゃった】
私の言葉にどういう返事が戻ってくるのかドキドキした。
ケイくんも何かを考えているのか軽快な会話も滞る。
まさかの答えにドン引きされたかなと落ち込んでいると、静かな部屋にピコンッと音が響いて、慌てて開いた。