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スキンのアンニュイから作品を作ってみませんか?
第2章 弓月 舞 様【君の視線が絡みつく】
触れただけですぐ離れた唇は、湿っぽかった。
「……あのさぁ……センセ」
彼は汗ばんだ私の首筋を指でなぞって、地味な黒色の髪の毛をパサリとはらった。
「さっき……首に蚊が止まってるーって、言ったのはさ」
「…?」
「あれ、実は嘘じゃなくて……。センセの首に本当に蚊がいたんだ。……けっこう長い間、止まっ…てた」
そんな事を喋りながら、ユウキくんが項(ウナジ)にキスをする。
それをされて私は…何かを諦めて目を閉じた。
降参。降伏。自分でもわかるくらいに性的な溜息が、喉より奥の深いところから大きく零れる。
溜息と一緒に中の熱を逃したつもりだけど火照りは少しも無くならない。
「…蚊がいた なら、見てるんじゃなくてっ……ハァ、…ッ…、早めに教えてほしかったよ……?」
「……フフ、そう、だよネ 」
うなじに触れた彼の唇から、舌が出てくる。
二度、三度とくすぐるように舐められる…。
「ハァっ…‥ぁ……」
「見惚れ(ミトレ)てたんだ」
「…ッぁ‥‥!」
「…あんな虫ケラに好き放題、血ぃ吸わせてやってる先生が…っ……無防備で……──ハァ……
……で、すごく…………エロかった……」
ブラウスのボタン、上の二つを外されて
続けて剥き出しになった片方の肩に、彼の息がかかる。
その時感じたユウキくんの息もすごく熱かったから、身体が火照ってしかたないのは自分だけではなかったと
それがわかった私は…ホンの少しだけ安堵する。
でもその安堵もつかの間。
私は尋常でないくらい汗をかいてしまっているのに、彼が躊躇なく舌を這わせてくるから…!
それこそ蚊が血を飲むみたいに強く吸い付いてくるから、恥ずかしくて身体が縮こまる。
「…ハァ‥…ハァ…」
レロ...
「ぁぁ‥‥//」
肩の丸いラインから……
首の線をツーーっと辿って……耳の下まで
わざとゆっくり舐め上げてくる。私はまた降伏の溜息を──小さな喘ぎ声が混じった溜息を吐き出してしまう。
「……ァ‥ァ、ユウキ…‥くん…‥!?」
自分が年上だという自覚も余裕も、あっという間に忘れていた。