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スキンのアンニュイから作品を作ってみませんか?
第2章 弓月 舞 様【君の視線が絡みつく】
「だったらこうしよ?……今日の最後にやる小テストで満点とったら、俺の彼女になるって」
「ユウキくん‥‥!!」
「それでOK?」
「…そんな コト‥‥//
……ど、どうせ……っ、また最後の1問……間違えるつもりでしょ………!?」
「……はぁ?」
いつもの意地悪。またそうやってからかうんでしょう?って
疑心暗鬼になる──。いまだ涙が枯れない目をオドオドと動かしていると
「もう間違えないよ」
ユウキくんに顎を掴まれて、グッと顔を寄せられた。
ポタ.....
彼のこめかみから零れた汗が私の頬に滴る。
「…んん‥//」
「…ッ──今日から本気だすカラ…さ……!!」
それから激しく唇を奪われた。
心臓が跳ねたせいで、最後にユウキくんが囁いた言葉は聞き取れなかった。
聞き返そうにも呼吸すらまともに許されない。
舌を絡め吸い出され…私の不細工な鼻息ばかりが耳に響く。
あれ……
可笑しいね
セミの声がいつの間にか聞こえないよ。
聞こえるのはやっぱり、二人のキスのあわいで零れる余裕のない吐息の連鎖──。
そしてもうひとつ気が付いた。
切羽詰まった荒々しい…
欲情したこの息遣いは、私を組み敷くこの男の子のものだったって──。
それを知った私は無性に彼の頭を撫でたくなったのに、両手を自由に動かせられない。
それがすごく、もどかしかった。
完