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スキンのアンニュイから作品を作ってみませんか?
第8章 結城 真理様 【日曜の午後は】
戻って来ると、伊織はタオル地のガウンを羽織って、壁にもたれて窓の外を眺めていた。
物音に気付いて、振り向いた伊織が光のせいか、儚く見える。
一瞬、どこかへ消えてしまう気がして。
手を伸ばし、抱きしめた。
伊織が俺の肩に顔を埋める。
「一緒に暮らしたいです」
「隣だぞ。同じようなもんだろ?」
「ずるい、ですよね」
そう、俺はずるい。
何もかも捨てる、そんな覚悟はないんだ。
「……だな」
でも、お前とは別れるつもりはないぞ。
なんて言ったところで、何になる?
約束も縛ることも出来ない関係なのに。
物音に気付いて、振り向いた伊織が光のせいか、儚く見える。
一瞬、どこかへ消えてしまう気がして。
手を伸ばし、抱きしめた。
伊織が俺の肩に顔を埋める。
「一緒に暮らしたいです」
「隣だぞ。同じようなもんだろ?」
「ずるい、ですよね」
そう、俺はずるい。
何もかも捨てる、そんな覚悟はないんだ。
「……だな」
でも、お前とは別れるつもりはないぞ。
なんて言ったところで、何になる?
約束も縛ることも出来ない関係なのに。