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寝とらせ白書①/妻が他人に抱かれる時
第10章 さよなら浅倉氏



ラブホからショッピングモールの駐車場まで、浅倉氏はラブホ内での出来事には一切触れず、下品な笑い声で世間話をしながら高級セダンを転がした。


「では奥様、これにて失礼します。今日はありがとうございました。」


三人は浅倉氏の高級セダンから降り、別れの時を迎えた。


「こちらこそ……すごく楽しかったです」


真っ赤な顔で詩織はペコリと頭を下げた。


「浅倉さん、今日は本当に、貴方で良かったです。テヘッ」


「フッ……じゃあグッバイ!」

欧米か!?



俺達は自分の車に乗り、車内で二人だけの時間へと戻った。



「詩織……今日はありがとう」


照れも無く、すんなり『ありがとう』の言葉が出た。

「約束は守ったからね」


「なんて言うか俺、今……」


「なにさ」


「いや……なんでもないエヘヘ」


「教えてよ、今日はアナタの為に頑張ったんだからね」


ヤッパリ?


「いや……俺……」


俺は今日の出来事で色々な事に気付いた。

詩織に対し甘え過ぎていた事
詩織に愛を与えていなかった事

そしてあらためて、詩織の事が好きなんだと感じた事。

もし、今日目の前で乱れたのが詩織でなく違う女性だったら……俺はあんなに興奮しただろうか?

伝えたいけど、上手く言葉に出来ない。


「なによー怒るよ」


「詩織……」


「なに?」






「また見たい」


「変態!」



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