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碧の島
第16章 恵理ではなく・・・・
俊也side
店を出てまた裏口から近道の階段を上がり長屋を眺めた・・・・。
恵理・・・いや、・・・・。
本名は星野桜・・・・。
俺は桜に近づいて良いのか・・・・。
昨夜桜を抱きしめた両手を自分で確かめるように見つめた。
俺は以前・・・・。
涼や結城に酷い事をしてしまった男・・・・。
そんな男が桜に近づいて良いのか・・・・・。
あの時の事を思い出す自分・・・・。
あの時とった行動は・・・何度思い返しても・・・・。
後悔しかない。
でももしあの時、本当に涼達に何かをしてしまっていたら・・・・。
俺は桜の家族を殺した犯人と同じ・・・・。
ギュッと手を握り・・・。
また店に戻った・・・・。
「あれ?俊也本島行くんじゃねーの?」
航が俺の顔を見てそう言った。
・・・・・・・。
「悪い・・・金出すからお前一緒に行ってきて・・・・・」
財布から万券を一枚だしテーブルに置くと・・・・。
航は顔を上げ・・・・。
「お前・・・昔の事を桜ちゃんの件と重ねてるの?」
・・・・・・・・。