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ネコの拾い方…
第3章 ただの凡人だから…
「俺もそう思う。」
昌弘が僕の頭を自分の胸に引き寄せて髪を撫でる。
「何が?」
「俺が出会った時の清太郎は既に藤原の当主である清太郎だったけど、もっと前に清太郎と出会ってれば俺もその子と同じ事を言ったと思う。」
「僕が藤原の当主に相応しくないってか?」
「違うよ。俺は初めて清太郎に会った時、ただの家出少年だと思った。まさか、あの藤原の当主だとか思いもしなかった。清太郎と付き合ってから会社の上司にあの料亭『藤原』の当主と知り合いだと言っただけで、いきなり社長に呼び出されて藤原の予約を取ってくれって頼まれた時に改めて清太郎って凄い立場なんだなって感じたけど…。」
「けど?」
「藤原の当主じゃなくても清太郎は清太郎で俺はどんな清太郎に出会ってたとしても愛してるとか思うんだ。だから、清太郎が当主になるのに不安を感じてると思ったら俺もその少年と同じ事を言ったかもって事…。」
「それって…。」
昌弘があの天才のように僕の不安を見抜くって事になる。
この昌弘が?
昌弘を愛してる…。
だけど昌弘は僕の考えを見抜けるような男じゃない。
昌弘は僕の飼い主…。
気まぐれで何を考えてるのかわからないネコを飼う事に戸惑ってる飼い主だからこそ、僕は昌弘を愛おしいと思う。
これは昌弘の嫉妬…。
僕の心を見抜く天才がこの世な存在する事に対して妬いてる。
「昌弘は昌弘だから好きだよ。」
キスを繰り返し体内で昌弘を感じる。
昌弘の顔が歪む。
射精感を感じて僕の為に必死に堪えてる顔が僕は好きだ。
「もう…、イキたい?」
「清太郎が満足なら…。」
呻くように答える昌弘の頬に舌を這わせる。
「なら話は止めようか?」
「まだ話したい事があるんだろ?」
昌弘のペニスの膨張を感じる。