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ネコの拾い方…
第3章 ただの凡人だから…
もう少し昌弘を焦らしてやりたい僕は昌弘の射精寸前で腰の動きを止める。
「うはっ!」
変な悲鳴を昌弘が上げる。
「何?」
「生殺し…。」
「話を続ける。」
「清太郎ってマジにサド…。」
「お黙り…。」
嘆く昌弘を無視して僕は話を続ける。
温泉を出て、遼達の家がある街へ戻れた頃にはもう夜の10時を過ぎていた。
「何時だと思ってる?藤原さんの御子様をこんな時間まで振り回すとか…。」
自転車を置く為に遼の家に行くと遼の父親が出て来て遼を叱る。
遼の家は近隣に比べればかなり立派な家だけど藤原の屋敷に比べれば意外と普通の家だった。
「お前達だけなら好きにすればいい。だけど藤原さんの御子様を巻き込むとか絶対にするな。」
父親が怒りで発する言葉は全てが僕のせいだと言われてる気分になる。
「なんで?清太郎が一緒やったらあかんのか?清太郎かて俺らと普通に遊びたいやろ。」
遼は平然と父親に口答えする。
僕は自分の父親にそんな事をした事がない。
姉にすら逆らえない。
「とにかく、藤原さんは先に京都へ帰られた。清太郎君は今からうちの車で京都へ送る。」
遼の父親が車に乗れと僕に言う。
「オトン…、俺も行く。」
遼が僕の手を握り車に乗り込む。
僕はただショックだった。
遼と遊べと僕に言ったのは叔父のクセに、叔父は僕を1人だけ残して京都に帰った。
叔父は僕を要らない子だと判断したのか?
遼とは遊ばないと口答えする子が良かったのか?
京都にある本家の屋敷に戻るのが怖くて怯える僕の手を遼が握る。
「お前のオッチャンが怒ってたら俺も一緒に叱られたるからな。」
遼は僕に1人じゃないと励ます為だけに付いて来た。