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黄昏異変 肉欲の奈落
第1章 女医 早苗
「乾さん、人を恋するって、苦しいですね」
浩二がテーブルに座ると早苗が話し出した。
浩二を見つめる早苗の目は涙に潤んでいた。
「何も泣くことはないでしょう」
浩二の言葉に、早苗はハンカチで目頭を拭うと、ハンカチを握り締めた手で口を覆って堪えた。
「乾さんは話を逸らしてばっかり」
絞り出すような早苗の声が口から漏れた。
「逸らすつもりはない。正直、君の気持を測りかねているんだ」
「わたし、きょう打ち明けて、余計苦しい・・・」
浩二には返す言葉も見つからない。
「散骨の時、わたしの肩を抱いてくださった乾さんの腕が震えていたでしょう」
「ああ・・・、そ、そうだったかな」
「震える乾さんの腕に抱かれて、ずうっとこのまま時が止まってくれたらいいと思いました」
「そ、そんな・・。中年男をからかっちゃいけないよ」
「じゃあ、乾さんの手が、あの時震えたのはなぜ」
浩二の額に汗が噴出す。
早苗は手に持ったハンカチを浩二に渡した。
浩二はそのハンカチを手に取ると額の汗を拭いたあと、眼鏡を外し、鼻水をかみそうになってあわてた。
ハンカチに染みついた早苗の匂いが性フェロモンのように浩二を刺激した。
浩二がテーブルに座ると早苗が話し出した。
浩二を見つめる早苗の目は涙に潤んでいた。
「何も泣くことはないでしょう」
浩二の言葉に、早苗はハンカチで目頭を拭うと、ハンカチを握り締めた手で口を覆って堪えた。
「乾さんは話を逸らしてばっかり」
絞り出すような早苗の声が口から漏れた。
「逸らすつもりはない。正直、君の気持を測りかねているんだ」
「わたし、きょう打ち明けて、余計苦しい・・・」
浩二には返す言葉も見つからない。
「散骨の時、わたしの肩を抱いてくださった乾さんの腕が震えていたでしょう」
「ああ・・・、そ、そうだったかな」
「震える乾さんの腕に抱かれて、ずうっとこのまま時が止まってくれたらいいと思いました」
「そ、そんな・・。中年男をからかっちゃいけないよ」
「じゃあ、乾さんの手が、あの時震えたのはなぜ」
浩二の額に汗が噴出す。
早苗は手に持ったハンカチを浩二に渡した。
浩二はそのハンカチを手に取ると額の汗を拭いたあと、眼鏡を外し、鼻水をかみそうになってあわてた。
ハンカチに染みついた早苗の匂いが性フェロモンのように浩二を刺激した。