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黄昏異変 肉欲の奈落
第3章 恐怖の熟女同時多発エロ攻撃
 「・・・さ、早苗さんですか」
 「お久しぶりです。ご無沙汰しておりました」

 早苗は深々と頭を下げた。

 「あれから何の音沙汰もなく三月近く・・・。もうお会いすることはないと諦めていました」
 「本当に申し訳ありませんでした。連絡もせず」
 「いったい何が・・・」二人は並んで歩き出した。

 「じつは・・・」

 早苗の赴任先は札幌といってもその郊外にある会社の保養施設付属病院。
 早苗が訪れたとき、施設一帯はすでに雪に覆われていた。
 慣れない雪道に早苗は足を取られて転倒。
 その時、コートのポケットにあった携帯を紛失したのだ。
 その後襲った激しい吹雪の中で携帯電話は跡形もなく消えてしまった。
 電話番号もメールアドレスも携帯の中。覚えてはいない。
 浩二の家の住所も知らない早苗には連絡しようにも術はなかった。

 「そうだったのか」
 「わたしの不注意でこんなことになり、それに・・・」

 早苗はさらにもう一つの事情も説明した。
 急な札幌赴任は、赴任先の病院で二人の医師が急に職を辞したことが原因。早苗は赴任早々、引きも切らぬ患者の診察に忙殺された。

 「でも、もう大丈夫です。私も慣れましたし、ベテランの先生がもう一人赴任して来ましたから、仕事はずっと楽になりましたワ」

 早苗の事情説明に、浩二は天を仰いだ。

 脳裏にはユカリの顔が浮かんでいた。
 そこに早苗が加わる。

 こんな若い女性二人との二股作戦・・・・・。

 玉砕必死だ。玉砕する前に鉢合わせになったら、どうする。

 前門の早苗、後門のユカリ・・・・。

 そんなことより何より、自分に寄せる二人の愛情を裏切ることになる完全な背信行為。

 真冬の散歩にもかかわらず、浩二の額に苦悩の汗が滲んだ。
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