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黄昏異変 肉欲の奈落
第3章 恐怖の熟女同時多発エロ攻撃
 それにしても、危なかった。
 浩二は帰りの道すがら、何度も名前を確認した。

 「ユカリに早苗、ユカリに早苗、これを間違えたら命取りだ」

 ともかく、慎重を期そう。

 「明日は・・・・早苗だ」

 
 何とかこの一週間を乗り切るしかない。
 どう考えても二股作戦は無理だ。物事には順番があり、隠蔽にも限度があるのだ。
 ここは、口実をもうけてユカリとの関係をしばらく休むしかない。
 浩二は腹を括った。
 
 「ユカリさん、どうも体調が悪い。風邪を引いたようで医者に行く。申し訳ないが1週間ほど休養したい」

 翌朝、突然届いた病気療養を伝える浩二のメール。
 ユカリはにどこか違和感を覚えた。

 (きのうまであんなに元気だったのに・・・・変?)

 浩二は聡明なユカリを甘く見ていた。
 そしてこの安直なキャンセルメールが浩二を新たな窮地に追い込んだのだ。

 ユカリの勘は鋭かった。

 駅で見た自分そっくりな女性、ベッドの上で浩二が口走った早苗の名、そして急な病気療養を伝えるメール。
 すべての状況証拠は、早苗が横浜に戻って来たことをユカリに教えた。
 ユカリはすぐ札幌にある企業経営の病院をネットで検索した。
 病院はすぐ見つかり、そのホームページには坂根早苗医師の名が顔写真入りで紹介されていた。
 その顔写真は一目見ただけで分かるほど自分に似ていた。
 
 「そっくりだわ!」

 翌日、ユカリは浩二の家の近辺を探した。
 「坂根」という珍しい苗字の家はすぐ見つかった。
 ユカリは覚悟を決めていた。
 坂根家の前に来ると、チャイムを押した。
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