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第3章 恐怖の熟女同時多発エロ攻撃

　「今頃のこのこ顔を出して・・・。浩二さんはわたしのものよ。大人しく帰ってちょうだい」
　「何て失礼な方。突然人の家に乗り込んできて、あなたまさか、わたしの居ない間に、浩二さんを誘惑でもしたの」
　「そのまさかよ。分かったら、北海道の山奥に黙って引っ込んでいて下さらない」

　ユカリは頬を伝う一筋の涙を拭うと席を立った。

　「言いたいことはそれだけ。失礼します」
　「待って。あなた、乾さんの何なの」
　「乾さんは命より大切な人」

　ユカリが靴を履こうとすると、早苗がその腕を取った。

　「分かるようにお話して頂きたいわ。いきなりそんな言葉を残して去られたら、わたしどうしていいか分からない」
　「だから言ったでしょう。あなたは今までどおり札幌にでもどこにでも引っ込んでいて」
　「残念ね。それは出来ないわ」
　「お願い。消えて。わたし達二人の前から消えて下さい」
　「待ちなさい」

　早苗は強い口調で一言いうと、ドアを背にユカリの前に立ち塞がった。

　「いいから、お戻りになって。もう一度お話しましょう、雨宮さん」

　ユカリは玄関に泣き崩れた。

　「あなたも好きなの・・・・、浩二さんを」

　早苗の声にユカリは亜麻色の長い髪を左右に振って応えた。

　「あなたとわたし、似ているのは顔だけじゃないようね」

　早苗の言葉が、ユカリの心を打った。
　ユカリは立ち上がると早苗の胸に顔を埋めて泣いた。

　「あああ、何でこんなことに。苦しい・・・・」

　ユカリはそう言い残すと早苗の手を振り払ってドアを開けた。
　ユカリは冬の街を駅に向かって駆け抜けて行った。
　冬の冷たい風にユカリの髪が踊った。

　困惑と嫉妬、そして不安と恐怖、様々な感情の渦に巻き込まれながら・・・・。

　一方の早苗は突然襲った思いがけない事態に呆然と立ちすくんでいた。