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黄昏異変 肉欲の奈落
第1章 女医 早苗
「・・・わたし、激しい自己嫌悪に陥りました。自分の体の中にあんな両親の血が流れている。家庭崩壊の危機どころではなく、わたし、それ以来自分の性を封印しました」
「それで、男性との交際もなくいままで・・・。よく乗越えることが出来た」
「かえって、そのときの体験から逃れようと勉強に夢中になりました」
「そうか、それで医学部合格か」
「わたしは内科医ですから、心理学も当然履修します。だから性についても色々なことを学びました」
熱を帯びたように早苗は話し続けた。
「大学を卒業すると同時に父が病で他界。母は家に引き篭もるようになりましたの。その頃になって、ようやく母を許すことができました」
引き篭もる母に早苗はロロをプレゼントしたという。
「五、六年前、僕と幸子さんが散歩で知り合った頃だね」
「この歳になると、男性とのお付き合いともなれば、当然関係を求められます」
「そりゃ、高校生じゃないからねェ」
「でも、わたし、怖かったの。自分のDNAが怖かったんです。父や母の汚れた血がわたしの中にも流れていて、それをもし相手の方に気づかれでもしたら、そう考えただけで、男性の求めに応えることが出来ませんでした」
「ということは、早苗さんはまだ処女?」
「処女だなんて・・・、意地悪ね」
早苗の目が、一瞬浩二を睨む。
「それで、男性との交際もなくいままで・・・。よく乗越えることが出来た」
「かえって、そのときの体験から逃れようと勉強に夢中になりました」
「そうか、それで医学部合格か」
「わたしは内科医ですから、心理学も当然履修します。だから性についても色々なことを学びました」
熱を帯びたように早苗は話し続けた。
「大学を卒業すると同時に父が病で他界。母は家に引き篭もるようになりましたの。その頃になって、ようやく母を許すことができました」
引き篭もる母に早苗はロロをプレゼントしたという。
「五、六年前、僕と幸子さんが散歩で知り合った頃だね」
「この歳になると、男性とのお付き合いともなれば、当然関係を求められます」
「そりゃ、高校生じゃないからねェ」
「でも、わたし、怖かったの。自分のDNAが怖かったんです。父や母の汚れた血がわたしの中にも流れていて、それをもし相手の方に気づかれでもしたら、そう考えただけで、男性の求めに応えることが出来ませんでした」
「ということは、早苗さんはまだ処女?」
「処女だなんて・・・、意地悪ね」
早苗の目が、一瞬浩二を睨む。