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黄昏異変 肉欲の奈落
第1章 女医 早苗
「早苗さん、もう一杯どう」
浩二が缶ビールを手に取った。
「浩二さんこそ、わたしの料理、お口に合いません。ちっとも箸をつけて下さらない」
「ごめん。食べるの忘れてた。それにしても、こんな思いがけない話になるとは・・・。ご馳走ものどを通らない」
浩二はため息をついた。
「浩二さんとご一緒するようになって、今までの男性に対する気持ちとは違った感情に駆られました」
「うーん、でも、僕はいたって平凡な男だ。だから、君のお相手が出来るかどうか・・・」
浩二は早苗の謎めいた話に一抹の不安を感じながら、おでこの汗を拭った。
ジッと浩二を見つめる早苗の目に涙が浮かんでいた。
「わたしも、もちろん、一度や二度、男性と・・・ありましたわ。そのとき、自分のありのままの姿で相手に接したい気持ちと、そのありのままの姿を相手が軽蔑するかもしれない恐さ…、そのハザマで苦しみました」
「ありのままの姿・・・」
『ありのままの姿』とは何か、そして『恐ろしい光景とは』。
浩二の脳裏に幾つかの妄想が浮かんだが、美しい早苗を見ると、その妄想も消えていった。
二人は料理を口に運んだ。
「早苗さん、上手だね。美味しいよ」
「それ、お世辞でなくって、真に受けていいのかしら」
「お世辞じゃないよ。でも、どちらかと言うと、僕は好き嫌いがなくて、何でも美味しく頂く方だけどね」
「やっぱり、半分お世辞ね。フフフ」
二人の間に和やかな空気が流れ、笑い声が漏れた。
浩二が缶ビールを手に取った。
「浩二さんこそ、わたしの料理、お口に合いません。ちっとも箸をつけて下さらない」
「ごめん。食べるの忘れてた。それにしても、こんな思いがけない話になるとは・・・。ご馳走ものどを通らない」
浩二はため息をついた。
「浩二さんとご一緒するようになって、今までの男性に対する気持ちとは違った感情に駆られました」
「うーん、でも、僕はいたって平凡な男だ。だから、君のお相手が出来るかどうか・・・」
浩二は早苗の謎めいた話に一抹の不安を感じながら、おでこの汗を拭った。
ジッと浩二を見つめる早苗の目に涙が浮かんでいた。
「わたしも、もちろん、一度や二度、男性と・・・ありましたわ。そのとき、自分のありのままの姿で相手に接したい気持ちと、そのありのままの姿を相手が軽蔑するかもしれない恐さ…、そのハザマで苦しみました」
「ありのままの姿・・・」
『ありのままの姿』とは何か、そして『恐ろしい光景とは』。
浩二の脳裏に幾つかの妄想が浮かんだが、美しい早苗を見ると、その妄想も消えていった。
二人は料理を口に運んだ。
「早苗さん、上手だね。美味しいよ」
「それ、お世辞でなくって、真に受けていいのかしら」
「お世辞じゃないよ。でも、どちらかと言うと、僕は好き嫌いがなくて、何でも美味しく頂く方だけどね」
「やっぱり、半分お世辞ね。フフフ」
二人の間に和やかな空気が流れ、笑い声が漏れた。