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-その後の世界-
第1章 3年後の世界
『特殊清掃』
復興が進んだとはいえ、まだ遺体はこの世に存在している。
それは人間であったり、中には巨大カマキリの化け物であったり。
それらを片付け、部屋を綺麗に清掃するのがこの仕事。
復興が始まった頃は爆発的に需要の高い職業で、色んな名前の会社が立て続けに設立したり、大手が新規参入したが……もうすぐ3年ともなると、その需要も下火になっていく。
当然ノウハウの浅い会社は潰れ、大手は次々に撤廃。
特殊清掃会社自体の数も減る中、僕の務める会社は長い実績がある分、安定的に仕事が舞い込む。
社名入りのワゴン車に清掃道具を詰め込み、繋ぎに安全靴。防塵マスク。メット。軍手。
「……伊江くんがこの会社に残っててくれて、助かるよ」
運転席に乗り込んだ先輩が、ポロッと愚痴をこぼす。