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-その後の世界-
第1章 3年後の世界
「復興が進んで、求められる仕事の形態も変わって………若い奴らはこの汚い仕事に見切りをつけてさっさと辞めちまった。
……3年経った今も、まだ必要な人間は世の中に残っているっていうのにな」
「………」
みんな、時代の流れに乗っかっていく。
それが正しいかのように、導かれて。
いつの時代だってそうだ。
その波に、いかに早く乗りこなせるかでその人の人生が大きく左右されてしまう。
おぐっちゃんのように。
乗りきれずにいるガラパゴスな人間は……いずれ社会から切り捨てられていく。
そして忘れ去られていく。
僕みたいに──
「この部屋なんだけどねぇ」
アパートの管理人が、グチグチと戯れ言をこぼす。
「もうずっと手つかずで、困ってんのよォ」