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-その後の世界-
第1章 3年後の世界
×××
「……おはようさん」
社名入りの繋ぎに着替えた僕は、ワゴン車に道具を詰めていると、肩をポンと叩かれた。
「おはようございます」
振り返って軽く頭を下げれば、そこにいたのは相変わらずの先輩。
しかし、何処か視線を泳がせていて、襟足をぽりぽりと掻いている。
「お前、昨日……虫にやられたっけ……?」
「……え?」
先輩の視線が、チラチラと首元に向けられるのを感じ、カァッと顔が熱くなった。
「……あ、えっと……これは……」
項を手で隠し、焦りながら目を伏せた僕の頭に、先輩の手が置かれる。
「随分と伊江に熱心な虫だな」
「……え」
驚いてちらりと先輩を見上げれば、憂いを帯びた瞳が僕に注がれていた。
「何でもねぇよ……」
そう言った先輩が、誤魔化すように口角を上げ優しくぽんぽんする。
「……おはようさん」
社名入りの繋ぎに着替えた僕は、ワゴン車に道具を詰めていると、肩をポンと叩かれた。
「おはようございます」
振り返って軽く頭を下げれば、そこにいたのは相変わらずの先輩。
しかし、何処か視線を泳がせていて、襟足をぽりぽりと掻いている。
「お前、昨日……虫にやられたっけ……?」
「……え?」
先輩の視線が、チラチラと首元に向けられるのを感じ、カァッと顔が熱くなった。
「……あ、えっと……これは……」
項を手で隠し、焦りながら目を伏せた僕の頭に、先輩の手が置かれる。
「随分と伊江に熱心な虫だな」
「……え」
驚いてちらりと先輩を見上げれば、憂いを帯びた瞳が僕に注がれていた。
「何でもねぇよ……」
そう言った先輩が、誤魔化すように口角を上げ優しくぽんぽんする。