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-その後の世界-
第1章 3年後の世界
そこに描かれたのは、『生殖種』
薬で万年発情させられた女性が、出産を繰り返して老いが早まり、二十代で老婆のような姿のまま、それでも男を求めて檻から手を拱いてる姿──
「……もう、こんなの描くなよ」
そう言ったカズがこちらに顔を向ける。
「これ以上、伊江が苦しむ姿なんて見たくない。
……もし金の為にやってるなら、俺が何とかするから」
「………」
金の為……?
違う。
違う違う違う!
金の為だと、そう思い込みたかっただけだ!!
本当は、自分を傷付けたかっただけ。
ナツネくんが傷付いてるように……僕も……
クイーンのいる扉を閉めるボタンを押したのは、僕だ。
僕なんだ。
「………とりあえず、飯食おうぜ」