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第1章 とし子の悲劇

事件から３日後の７月７日のことでありました。

桂一郎さんにお嫁さんが来てくれなかったらどうしようとオタオタ焦っていました義父は、親戚のおいやめいたちがいる職場やきょうだいたちの家からおいの妻の実家やめいのダンナの実家などにところかまわずに怒鳴り込みに行きまして、ひどい大ゲンカを起こしてしまいました。

『家の貯金を返せ!!よくもひとの家のカネを使って大学に行ったり結婚資金に使ったりしたな!!返さないと考えがあるぞ!!』など…

義父は親類の家のご家族に対してそのように言うてカネを返せと強要していました。

義父は、禎次さんの家にも行きまして、禎次さんのお母さまにもカネを返せと強要していましたし、禎次さんの亡くなった奥さんの実家にまで怒鳴り込みに行きましてカネを返せと強要していました。

そのせいで、禎次さんの亡くなった奥さまの妹さんがせっかく採用をいただいたアパレル会社への就職が先方の(自分勝手な)都合で不採用になってしまいました。

亡くなった奥さまの妹さんは、そのことを苦に家出をして行方不明になったあと、菊間の歌仙ダムのダム湖に墜ちて(おちて)自殺してしまいました。

義父は、過激な手を使って親類の家にカネのサイソクをしていたので、次第に孤立を深めてしまったのでありました。

禎次さんは、雄一郎さんのお父さまに母親のことをなじられたショックから赤ちゃんを連れて行方不明になってしまいました。

そして、家庭内では桂一郎さんの結婚問題がさらに深刻になっていました。

桂一郎にお嫁さんが来てくれない…

桂一郎に合った出会いの方法がない…

もし、お嫁さんが来てくれなくなったらこの先桂一郎の人生が不利になってゆくだけだ…

桂一郎さんの結婚問題が深刻になってきたのと同時に、次々と恐ろしい事件に巻き込まれて行くのでありました。