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第1章 とし子の悲劇

桂一郎さんは、この時39歳でありました。

39歳であとがない…

早くどうにかしたいのに、身の丈に合うお相手と出会うことなく独り身の状態が長期化する恐れが生じたので、結婚問題がより深刻になっていました。

桂一郎さんは、西条市ひうちにありますアサヒビール四国工場の中にあります運送会社の配送センターで働いていました。

お給料は16万円でありますが、その中から横町のバス停から玉姫殿前のバス停までのバスの定期券代と各種保険料とお昼のお弁当１食500円などから差し引かれて、残りの取り分は12万7800円となっています。

12万7800円のお給料だけでは、結婚ができない…

…と言うよりも、結婚をしたあとが12万7800円のお給料でどうやって嫁さんを養って行くのかが問題なので、どうすることもできない…

桂一郎さんの気持ちは、時間の経過とともにますますヒヘイしていたので、アタシはものすごく困り果てていました。