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第1章 とし子の悲劇

「としこさん…としこさんは雄一郎さんと本当に離婚をするの？」
「ええ!!本気よ!!アタシはあななクソッタレと離婚したあとは女ひとりで生きて行くことに決めたから!!そんなことよりも、桂一郎さんはいつになったらお嫁さんが来てくれるのよ!?あんたね!!桂一郎さんはね!!がまんして安いお給料の中で働いてきたのよ!!どんなにがんばってもお給料が上がらないのをがまんして働いている桂一郎さんのことを思えばつらいわよ…武方さん!!あんたね!!アタシの話を聞いているの!?」
「聞いているよぉ…桂一郎さんの結婚のことについては…何とかしてあげたいと考えているのだよぉ…」
「あんたね!!口先だけで何とかしてあげたいと言うけれども、どうして実行しないのよ!!言った以上は実行しなさいよ!!」
「分かっているよぉ…だけど今はね、上半期の決算とか会社のことで頭がいっぱいになっているから…」

武方さんは、ますます口ごもった声でアタシに言うて来たので、アタシはますます怒った口調で武方さんに言い返しました。