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第1章 とし子の悲劇

７

桂一郎さんが、８月２日と３日の『おんまくお見合い』に参加しなかった理由は、桂一郎さんが出発前に信金の女性の職員さん10人と職場の未婚の男性の従業員さん10人を対等にくじて決めたこと自体が不満なので参加を取り止めて帰ったと言うことでありました。

桂一郎さんは、あの日を境にしまして変わり果ててしまいました。

桂一郎さんは、ここへ来まして会社の待遇がよくないことに不満をつのらせた結果、職場でもめごとばかりをくり返すようになりました。

８月11日のことでありました。

この日、配送センター内で配送伝票のミスで岡山県に配送する荷物をコードの入力ミスが原因で和歌山県に誤って配送されていたことが明らかになりました。

この時、伝票の担当者の女性が８月６日から10日間ほど新婚旅行で休暇を取っていましたので、引き継ぎでＡさんに代理をお願いをしていました。

Ａさんは、桂一郎さんと同じ未婚の男性の従業員さんで、８月２日と３日のおんまくお見合いに参加をしていましたが、桂一郎さんが理想としていました女性がくじ引きでＡさんに当たってしまいましたので、桂一郎さんはＡさんに強い怒りを抱いていました。

問題の伝票は、８月８日にＡさんがパソコンで入力作業をしていた時にお腹が痛くなりましてトイレに行っている間に発生しました。

当初は、Ａさんの気持ちの焦りから地域コードをあやまって入力したことがミスの原因となりましたので、武方さんは伝票のミスのことを聞きまして、電話で岡山県の配送先にお詫びをしましたが許してもらえませんでした。

翌日の朝礼で、Ａさんが『ぼくは配送伝票の地域コードを正しく入力したのに…』と泣きそうな声で言いましたので、桂一郎さんが怒りを込めてＡさんがきずつく言葉を発したのでありました。