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とし子の悲劇
第1章 とし子の悲劇
事件発生から10分後に、愛媛県警のパトカーがけたたましいサイレンを鳴らしまして現場にかけつけました。

アタシは、第一発見者と言うことでケーサツからあれこれとやっかいなことを聞かれていました。

婦警さんに抱かれている赤ちゃんは、さらに激しい泣き声をあげていたので、近所の住民のみなさまはすごく不安げな表情になっていました。

それからまた10分後に、黒のクラウンマジェスタの覆面パトカーがけたたましいサイレンを鳴らしまして現場に到着しました。

覆面パトカーの中から、工場の作業着姿のていじさんがあわてて降りてきました。

「すみお!!すみお!!無事だったのか!?どうしたのだ!?すみお!!」

禎次さんは、激しく泣いている赤ちゃんを抱きしめていましたが、赤ちゃんは泣きやもうとはしませんでした。

禎次さんは、急いで家の中に入って行きました。

部屋の中では、県警の鑑識警察官が現場検証を行っていました。

この時、禎次さんは恥ずかしい姿で亡くなっていました奥さまを見まして、大声で泣き叫んでいました。

禎次さんの奥さまがレイプされて亡くなった事件については、恐ろしい覆面をかぶって派手なシャツを来ていた男の情報と物的証拠などがとぼしいことから、容疑者を割り出すことがより困難になっていました。

愛媛県警の捜査1課は、容疑者を特定する証拠がとぼしい上に、状況証拠が少ないので苦戦を強いられていました。
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