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純愛ハンター
第9章 裁き9、プリティベイベー
「Eドクター…コレは取り引きです…私の願いを受け入れてくれるならば…“私たち”はあなたの身の安全を永久に保障します…」
「それは…脅しかな…?」
「そう受け取って頂いても構いません…」
Eドクターはひとつ大きく溜息を付くと、啓太の病室の鉄格子を開けて鎖を解いた。
お嬢は病室へ入ると、呆然と座り込む啓太の目の前に跪いた。
「お父様…お父様はずっと私にとってのスーパーヒーローだったの…だから…最後くらい男らしいところを見せてよ…ね?」
「お、男らしいところ…?」
「このまま自首してください…」
「えっ…?」
お嬢は啓太の顔をジッと見つめ、目に涙をうっすらと浮かべた。
「どれだけ憎んでも…怨んでも…私、お父様が大好きなんだって事があらためて分かったの…だから…」
「んっ…?んむっ………」
お嬢は啓太の頬に手を添えてそっと唇を重ねると、最後の別れを惜しむかのように舌を奥深く挿し入れて悩ましく蠢かせた。
「二択よ…」
「え…?」
お嬢は立ち上がると、啓太を慈しみ深く見下ろした。
「信じてるわ、お父様…」
「緑…真紀…ゴ、ゴメンなっ…こんなクズ親父で…ありがとう…!」
啓太はそう言い残すと、背中を丸めて小走りで病院を去っていった。
お嬢は、啓太の後姿をしばし見守った。
それから数日後。
「やっぱりね…」
「そうね…でも、私…少しは信じてたんだ…」
玲子とお嬢が『純愛ハンター』の事務所でその日の朝刊を目にすると、
『渦中の五島啓太議員、偽造パスポートで渡航したH国の空港で麻薬検出され逮捕 終身刑の可能性も』
そう一面で大きく扱われていた。
「やっぱりクソ親父はどこまでもクソ親父だったのね…最後のチャンスをフイにするなんて…」
お嬢は隔離病棟から啓太を解放する際、啓太のポケットに偽造パスポートとH国行きの航空チケットをそっと忍ばせていた。
そして啓太がお嬢の行為を無碍にして自首を選ばなかった場合、H国では即座に極刑に処される薬物をキスとともに飲み込ませていたのだ。
「なまじ愛なんてあるから人は苦しむ…踊らされる…いっそアンタの父親みたいに愛なんて失ったまま生きた方がどれだけ楽か…考えさせられたよ…」
そんな玲子の言葉にお嬢は一瞬表情を曇らせたが…
ふと柔らかい微笑みを浮かべた。
「それは…脅しかな…?」
「そう受け取って頂いても構いません…」
Eドクターはひとつ大きく溜息を付くと、啓太の病室の鉄格子を開けて鎖を解いた。
お嬢は病室へ入ると、呆然と座り込む啓太の目の前に跪いた。
「お父様…お父様はずっと私にとってのスーパーヒーローだったの…だから…最後くらい男らしいところを見せてよ…ね?」
「お、男らしいところ…?」
「このまま自首してください…」
「えっ…?」
お嬢は啓太の顔をジッと見つめ、目に涙をうっすらと浮かべた。
「どれだけ憎んでも…怨んでも…私、お父様が大好きなんだって事があらためて分かったの…だから…」
「んっ…?んむっ………」
お嬢は啓太の頬に手を添えてそっと唇を重ねると、最後の別れを惜しむかのように舌を奥深く挿し入れて悩ましく蠢かせた。
「二択よ…」
「え…?」
お嬢は立ち上がると、啓太を慈しみ深く見下ろした。
「信じてるわ、お父様…」
「緑…真紀…ゴ、ゴメンなっ…こんなクズ親父で…ありがとう…!」
啓太はそう言い残すと、背中を丸めて小走りで病院を去っていった。
お嬢は、啓太の後姿をしばし見守った。
それから数日後。
「やっぱりね…」
「そうね…でも、私…少しは信じてたんだ…」
玲子とお嬢が『純愛ハンター』の事務所でその日の朝刊を目にすると、
『渦中の五島啓太議員、偽造パスポートで渡航したH国の空港で麻薬検出され逮捕 終身刑の可能性も』
そう一面で大きく扱われていた。
「やっぱりクソ親父はどこまでもクソ親父だったのね…最後のチャンスをフイにするなんて…」
お嬢は隔離病棟から啓太を解放する際、啓太のポケットに偽造パスポートとH国行きの航空チケットをそっと忍ばせていた。
そして啓太がお嬢の行為を無碍にして自首を選ばなかった場合、H国では即座に極刑に処される薬物をキスとともに飲み込ませていたのだ。
「なまじ愛なんてあるから人は苦しむ…踊らされる…いっそアンタの父親みたいに愛なんて失ったまま生きた方がどれだけ楽か…考えさせられたよ…」
そんな玲子の言葉にお嬢は一瞬表情を曇らせたが…
ふと柔らかい微笑みを浮かべた。